雄勝産天然スレート

雄勝産天然スレート

長官官舎洋館部の屋根には、雄勝(現・宮城県石巻市)で製造された天然スレート(天然石材)が使われています。東京駅等の近代建築物の屋根に使われたのが、この雄勝産の天然スレートでした。

天然スレートは、加工しやすく、耐久性に優れた玄昌石から製造されます。雄勝石とも称される雄勝産の玄昌石は、古くから硯用に加工されてきました。

この雄勝石を利用したスレート施工に着目したのが、屋根職人・篠崎源次郎でした。ドイツで技術を学び、帰国後、東京にスレート商会を設立した篠崎は、雄勝で製造されたスレートの販売・施工を行うようになりました。

現在、平成23(2011)年に発生した東日本大震災によって雄勝産天然スレートの生産量が激減したことから、スペイン産スレートも代用されています。雄勝産天然スレートの残る長官官舎は、文化財的価値の高い近代建築物といえるでしょう。

(英文略)

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