むじな燈籠

むかし、下総国葛飾郡冬木村(今の茨城県猿島郡五霞町)に住んでいたむじなが人の姿となり、善光寺参りの講中にまじって善光寺におまいりしました。むじなは、殺生することなしに生きていけない自らの罪業を恥じ、後生を頼むため、善光寺に燈籠を寄進したいという願いをもっていました。

白蓮坊を宿に定め、ようやく善光寺への参詣を果したむじなは、その晩、安堵してお風呂につかりました。ところがうっかりむじなの姿のままで湯を浴びているところを見つかり、あわててどこかへ逃げ去りました。

姿を消したむじなを不憫に思った住職は、むじなが燈籠を寄進したいという願いを持っていたことを伝え聞いて、一基の常夜灯を建ててあげました。それが、本堂正面に向かって左側、経蔵北に今も残るむじな燈籠だといわれています。

むじな地蔵

「むじな燈籠」の伝説にこめられた、おおらかな善光寺如来の慈悲の世界を彫刻家の籔内佐斗司先生が、天真爛漫な童子形のお地蔵さまと一途なむじなの姿で表してくださいました。

白蓮坊堂内には、この像の原型となりました木造の「むじな地蔵」が安置されています。

善光寺むじな燈籠

むかしむかし下総の

むじなが燈籠をあげたとさ

むじな燈籠に火がともりゃ

今もお山のむじなたち

なむなむなむと拝むとさ

台に刻まれましたのは相馬御風先生の作になる「むじな燈籠」のうたです。

(英文略)

所在:長野県長野市元善町465 白蓮坊

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