平和の像
宮城県仙台市青葉区本町3-9 勾当台公園

勾当台公園の少し殺風景ないこいの広場から奥を見ると、一段上がった上にきれいな紅葉が見えた。いろいろな種類の木が混じった緑の森と赤やオレンジに染まった紅葉・黄葉のコントラストが美しい。

その中央に「平和」と題された母子像が建っていた。昭和34年(1959)に県内の有志らが募金を集めて建てたものだという。8月7日という日付が、広島と長崎への祈りを込めたものだということを物語っている。
無邪気に母と戯れる幼子。母の姿はキリストを慈しむマリアのようにも見える。穏やかで平和な光景…と思ったのだが、カメラを向けてみて背後の紅葉が戦火のように見えてきた。
街を焼かれ、絶望の中でも平和を信じて生き抜こうと手を取り合う母子。下の広場で男女の諍いの姿ともとれる「季の杜に」を見た余韻が、わたしをそんな不穏な気分にさせている。
見る順番を逆にすればよかった。そうすればもっと安らかな気持ちで平和を祈ることが出来たのに。
